2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦
SUPERBIKE RACE in OKAYAMA
2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦
SUPERBIKE RACE in OKAYAMA
岡山県・岡山国際サーキット(1周=3.747km)
観客動員数:5,910人(2日間合計)
2025年
10月4日(土):予選 天候:雨 コース:ウエット
10月5日(日):決勝 天候:曇り コース:ドライ
ST1000
#23 西村 硝予選8番手(タイム:1'49"253)
決勝:11位
ST600
#11 小山知良予選ポールポジション(1'48"738)
決勝:2位
#17 大和 颯
予選15番手(1'52"151)
決勝:欠場
J-GP3
#4 岡崎静夏予選4番手(1'55"040)
決勝:3位
#2 若松 怜
欠場
コヤマックスが魅せた!最終ラップにもぎ取った2位!!
岡崎静夏も3位争いを制し表彰台に立つ!
コヤマックスが魅せた!最終ラップにもぎ取った2位!!
岡崎静夏も3位争いを制し表彰台に立つ!

シリーズ第6戦を岡山県・岡山国際サーキットで迎えた全日本ロードレース選手権。
このレースを前に日本郵便docomo business TPに激震が走った。
前週に行われた事前公開テストでJ-GP3クラスでタイトル争いを繰り広げていた若松怜にアクシデントが起こってしまう。
テスト最終日は雨模様となりウエットコンディション。
他のライダーが多く転倒し何度も赤旗が出ていた。
そんな難しいコンディションの中、若松は慎重に走っていたが、最終コーナー手前のマイクナイトコーナー立ち上がりで転倒を喫してしまったのだ。
この転倒で、右鎖骨と右手を負傷。
すぐに手術が必要となったため、岡山ラウンドは無念の欠場となってしまった。
木曜日の搬入作業では、一人欠けただけでピットの雰囲気が寂しく感じられたが、残る4人のライダーは集中力を高めてレースウイークに臨んだ。
初日となった金曜日は、走行時間に合わせたように雨が降り始め、ウエットコンディション。
事前テストでもウエットでトップタイムを記録した岡崎静夏が、ここでも気を吐き初日はトップタイムをマーク!
転倒はあったもののケガはなくウエットでの走りに開眼していた。
同じくウエットとなった公式予選では冷静にコンディションを見ながら走り4番手と好位置につけた。


ST600の小山知良は、初日は様子を見ながらの走行だったが、ウエットの方が身体への負担が少なく公式予選では、セッション終盤にアタックを敢行。
難しいコンディションの中、転倒者も多く、イエローフラッグが多く振られている中だったが、絶妙なタイミングでタイムを出しリーダーボードのトップに浮上!
5年振りとなるポールポジションを獲得した。
一方、大和颯も着実にタイムを縮め、トップ10に入っていたが、若松と同じコーナーで転倒。
左手首を骨折してしまいレースは欠場を余儀なくされてしまった。
ST1000の西村硝は、ドライとなった事前テストでトップタイムを記録したが、ウエットではフィーリングが変わってしまい苦戦するが、金曜から土曜の予選まで様々なセットを試し前進。
こちらも転倒はあったものの身体は無事で予選は8番手につけた。
岡崎は今シーズン2度目となる3位表彰台を獲得
岡崎は今シーズン2度目となる3位表彰台を獲得
日曜日は、天気は回復する予報だったが、朝まで雨が残ってしまい、ウォームアップ走行は、中途半端なハーフウエット。
レースは、ぶっつけでドライコンディションで行われた。
この日、最初に行われたJ-GP3クラスのレースは、ウエットレース宣言され2周減算の17周で争われた。
岡崎は、ギリギリまでマシンセットに悩むが、チームも臨機応変に対応。
レースがスタートすると、トップ2台についていくことはできなかったが、4台による3位争いを繰り広げる。
岡崎は、冷静にこのバトルを見極め、最終ラップの最終コーナー立ち上がりからコントロールラインまでに前に出てチェッカー。
今シーズン2度目となる3位表彰台を獲得した。
ST1000クラスの西村は、3列目からのスタートながらオープニングラップで4番手に上がると、3周目に3番手に、5周目に2番手に上がると、トップを走るライダーを追っていく。
ドライでのペースに自信のあった西村は、その言葉通り、レース終盤にはトップのライダーのテールを捕らえることに成功する。
どこで仕掛けるかという状況になっていたが、残り3周を切った16周目のアトウッドカーブで痛恨の転倒。
再スタートするものの、大きく順位を落としたが、11位でチェッカーフラッグを受けている。
復活のコヤマックスが2位表彰台!
復活のコヤマックスが2位表彰台!

そして日曜日、最後に行われたST600クラスでは、小山が魅せてくれた。
ポールポジションから好スタートを切った小山だったが、1コーナーは2番手でクリア。
バックストレートでは松岡選手に幅寄せされフロントがグリーンに出てしまいヒヤッとする場面もあったが、これで小山のスイッチが久しぶりに入ったと言う。
長尾選手は事前テストから調子がよく逃げることが分かっていたため、必ず2位でゴールしようと心に刻んだ。
小山の読み通り、長尾選手がトップを独走。
小山は、松岡選手、伊達選手、南本選手と2位争いを繰り広げる。
この集団をレース中盤まで引っ張ると、一時は、4番手に後退し様子を見ていた。
そして15周目に再び集団の前に出ていくと、そのまま最終ラップに突入していく。
バックストレートからヘアピンのブレーキングで松岡選手にかわされるが、その後のダブルヘアピン1個目の進入でレイトブレーキングを見せた小山が前に。
ここで伊達選手も仕掛けて来るが抑え切り、そのまま最終コーナーを駆け下りてチェッカー。
まだ思うように動かない右足と左手を感じさせない熱い走りで2位争いを制した。
日本郵便Honda RACING
日本郵便Honda RACING
ST1000クラス #23 西村硝コメント
8番手スタートということで厳しい展開になることは予想していましたが、ドライでのペースには自信があり、追い上げの展開に持ち込めると信じてスタートしました。
トップの選手が序盤から逃げる展開でしたが、スピード的には引けを取らず、しっかり追いつくことができました。
ラスト3周、勝負を仕掛けようという矢先、無理をしていたわけではありませんが、まだ今のパッケージの限界を完全にはつかみ切れていないためか、予想外の転倒を喫してしまいました。
優勝か2位かという手応えがあっただけに、非常に悔しく、応援してくださった皆さんにも申し訳ない気持ちでいっぱいです。
それでも今回のレースで得た自信は大きく、速さに関しては間違いなくトップレベルだったと感じています。
自分がタイムを出したい時にしっかり応えてくれるマシンに仕上げてくれたチームスタッフに心から感謝しています。
この悔しさを糧に、最終戦鈴鹿まで全力で準備を進めます。
応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
次こそ確実に優勝をつかみ取ります!

ST600クラス #11 小山知良コメント
予選は天候にも助けられた部分がありましたが、マシンの雨でのフィーリングが非常に良く、久しぶりにポールポジションを獲得することができました。
スタートもうまく決まり、1コーナーでは地元の松岡選手が強気に仕掛けてきて、気迫を感じながらも冷静に様子を見ていました。
しかしバックストレートで芝生に出てしまい、フロントが切れ込むヒヤッとした場面もありました。
その瞬間“絶対に譲らない”スイッチが入りと覚悟を決めて挑み、最後まで激しいバトルを繰り広げることができました。
ここ数年、ケガも多く苦しい時期が続きましたが、支えてくださった皆さん、応援メッセージをくださった方々、そして信じて待っていてくれた人たちのおかげで、ようやく強い走りを取り戻せたと思います。
最高のマシンを仕上げてくれたメカニックとチームクルーに心から感謝しています。
今回の結果は自分にとって復活の第一歩。
指の回復はまだわかりませんが、身体を整えてさらに強くなって最終戦鈴鹿に挑みます!

J-GP3クラス #4 岡崎静夏コメント
直前までレインで行くかドライで行くか悩み、サイティングラップの時間ギリギリまでセット変更の作業を行っていました。
グリッドに並んだ時点でも不安はありましたが“行くしかない”という気持ちでスタートしました。
結果的に作戦がうまくはまり、運にも助けられたレースでした。
長年レースを続けてきた中で、若い頃に先輩方から教わった“レースの戦い方”を、今回は自分がベテランとして若手に示すことができたかと思います。
もし若松選手が参戦していたら、さらに厳しい戦いになっていたはずです。
彼と本気で勝負できるよう、まだまだ詰めていかなければと感じました。
今回も多くの応援をいただき、本当にありがとうございました。
期待に完全には応えきれなかった部分もありますが、最終戦では若松選手とともに1-2フィニッシュを目指して、しっかり準備していきます。
日本郵便docomo business
日本郵便docomo business
ST600クラス #17 大和颯コメント

予選中の転倒により左手首を骨折してしまい、レースを欠場することとなりました。
今回は雨のコンディションが続き、ずっとレインセットを進めていました。
金曜日の1本目は感触も悪くなかったのですが、2本目ではタイヤ選択に悩むほど天候が不安定で、走行時間を少しロスしましたが、ウエットでのペースはよく、予選も冷静に進めることができていました。
タイムを伸ばしてトップ10に入ったタイミングでピットに戻ろうとした矢先、最終コーナー手前で転倒してしまいました。
走れると思っていましたが、トレーナーに確認してもらった結果、安全に走行できる状態ではないと判断し、欠場を決めました。
スポンサーの皆様、そして応援してくださるファンの皆様にこのような形での報告となり、本当に申し訳なく思っています。
ライダーとして走る姿をお見せすることが一番の恩返しですが、それが叶わないのは非常に悔しいです。
この経験を無駄にせずしっかり治療し、さらに強くなって必ず戻ってきます。
若松選手に続いて日本郵docomo businessのライダーが揃って走れないのは残念ですが、チーム一丸となって戦い続けます。

手島雄介監督コメント
手島雄介監督コメント
まずは岡山大会に向けてご支援いただいた日本郵便株式会社様、NTTドコモビジネス株式会社様、トランスコスモス株式会社様をはじめとする各スポンサーの皆様、そしてチームのサポーターの皆様に心より御礼申し上げます。
事前テストから多くの出来事があり、正直やっと一段落した気持ちです。
若松怜選手の転倒・負傷や、大会中の岡崎静夏選手、西村硝選手、大和颯選手の転倒など、不安の多い中で臨みました。
その結果、決勝レースには5名のチームライダー中、3名のみがスターティンググリッドに並ぶ形となりました。
日本郵便の社員を代表して“事故ゼロ・安心・安全”を目指している立場として、この状況は大変心苦しいものでした。
しかし、その中でも小山知良選手が予選で5年ぶりのポールポジションを獲得し、決勝でも最後まで諦めない走りで2位表彰台を獲得してくれました。
岡崎選手も若松選手が欠場する中で表彰台に立ち、西村選手もトップ争いを見せてくれました。
チームとして“最後まで諦めない”姿勢を体現できたレースだったと思います。
こうした経験を積めるのは、応援してくださる皆様の支えがあってこそです。
本当にありがとうございます。
いよいよ次戦は2025年の最終戦、鈴鹿です。
皆様と共に最高の時間を創り、昨年の“集”から今年の“信”へとつなぐOne Teamの集大成を体現できるよう全力で挑みます。
