2024 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦
2024 56 th MFJ GRAND PRIX SUPERBIKE RACE in SUZUKA
2024 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦
2024 56 th MFJ GRAND PRIX SUPERBIKE RACE in SUZUKA
2024年
10月26日(土):予選・JSB1000レース1 天候:晴れのち曇り コース:ドライ
10月27日(日):決勝・JSB1000レース2 天候:曇り時々晴れ コース:ドライ
三重県・鈴鹿サーキット(1周=5.821km)
観客動員数:1万4,000人(2日間合計)
JSB1000
#33 高橋 巧RACE 1 予選7番手(2'05"891)決勝:6位
RACE 2 予選8番手(2'06"132)決勝:4位
シリーズランキング:5位
ST600
#5 小山知良予選6番手(2'12"027)決勝:欠場
シリーズランキング:11位
#27 大和 颯
予選20番手(2'13"458)決勝:10位
シリーズランキング:17位
J-GP3
#12 岡崎静夏予選7番手(2'19"450)決勝:3位
シリーズランキング:4位
#3 若松 怜
予選PP(2'17"032)決勝:11位
シリーズランキング:2位
全力を尽くして戦った最終戦
岡崎静夏が3位に入り初表彰台を獲得!
全力を尽くして戦った最終戦
岡崎静夏が3位に入り初表彰台を獲得!
ついに最終戦を迎えた全日本ロードレース選手権。
J-GP3クラスでは、日本郵便docomo business TPの若松怜がチャンピオン争いを繰り広げており、その差2ポイントで最終決戦に挑んだ。
前戦の岡山ラウンドで2勝目を飾り、その翌週にMotoGP™日本グランプリMoto3クラスに代役参戦することが急きょ決まり最高峰の世界を見ることができた。
その体験は、若松にとって大きく、再び目指す場所を初めて走ったことで、今回の最終戦でやることが明確になっていた。
かくして、若松は、木曜日の走り始めから単独で積極的な走りを見せ、金曜日までの4セッション全てでトップタイムを記録。
土曜日の公式予選でも2分17秒032をマークしてポールポジションを獲得する。
決勝朝のウォームアップ走行では、タイトルを争う尾野選手が予選タイムを上回る速さを見せ、若松は2番手となったが、決勝は、はやり尾野選手との戦いになることを再認識させる結果となった。
岡崎も好調で自己ベストを初日から更新。予選では、若松と同じファイナルを選んだが、うまくタイムを出すことができず7番手となったが、決勝での巻き返しを狙っていた。
優勝をかけた運命のレース
優勝をかけた運命のレース
そして運命のレースがスタートする。
若松は、やや出遅れ1コーナーを4番手でクリア。
東コースのうちに3番手に上がると、スプーンカーブへの進入で2番手に浮上。
尾野選手の背後につけオープニングラップを終える。
トップグループは、尾野選手と若松、そして高杉選手の3台が形成。
やや離れて徳留選手と岡崎が4番手争いを繰り広げていた。
若松は、何度もシケインへのブレーキングで前に出るが、尾野選手のマシンは速く、ホームストレートで抜き返されるパターンが何度か続いた。
残り2周となった1コーナーで若松は高杉選手に1コーナーでかわされ3番手に後退するが、デグナーカーブへの進入で抜き返す。
西ストレートでも高杉選手にかわされるが、シケインへのブレーキングで抜き返し、2番手で最終ラップに入っていく。
東コースで尾野選手のテールをマークした若松は、NIPPOコーナーでインを突きトップに浮上!
しかしストレートスピードで上回る尾野選手に西ストレートで前に出られてしまう。
最後の勝負となるシケインへのブレーキングは、自信があった。
インを抑える尾野選手に対し、さらにインに入って行った若松だったが、止まりきれずオーバーラン。
2番手でチェッカーを受けるが、シケイン不通過のため30秒のペナルティを受け11位となったが最後まで攻めた結果だった。
岡崎は、その後方で木内選手とし烈な4位争いを繰り広げており、4番手でチェッカーを受けたが、若松の降順により3位となり、全日本初表彰台を獲得する結果となった。
大和が最後に意地を見せた!
大和が最後に意地を見せた!
ST600クラスは、チームのエースライダーでもある小山知良が足の負傷を抱えながらも大和颯を引っ張りながら2日間のフリー走行をこなしていた。
公式予選でも2台は一緒にコースインしていき、大和を引っ張りながらも、タイムアタックに入ると計測2周目の逆バンクでハイサイドで転倒。
左手の薬指を粉砕骨折、小指と薬指も折れてしまい欠場を余儀なくされてしまう。
大和は小山に引っ張ってもらったタイムで13番手グリッドからスタート。
オープニングラップを12番手で終えると、レース終盤に2台をかわし10位でゴール。
最終戦でトップ10フィニッシュを果たした。
高橋は僅差の4位でチェッカー!
高橋は僅差の4位でチェッカー!
JSB1000クラスは、最終戦も2レース制で行われた。
今シーズンの集大成として、セッション毎にステップを踏んで行きタイムも縮まってきていたが、周りも速い。
公式予選では、2分05秒台に入れるが、それでも7番手。
レース2のグリッドを決めるセカンドラップタイムでも8番手と両レースとも3列目からのスタートとなる。
14周で争われたレース1は、オープニングラップを8番手で終えると5周目に長島選手を、7周目に渥美選手をかわし6番手に上がり、2分06秒台で周回を重ねる。
5番手のライダーを追い上げていったが、勝負するところまではいけず6位でゴール。
レース1より2周多い16周で争われたレース2では、スタートを決めオープニングラップは、5番手でホームストレートに戻ってくる。
トップグループについていきたいところだったが、徐々に離され単独で走っていた。
すると9周目に2台が転倒するアクシデントが発生し、セーフティーカーが入ることになる。
これでトップグループとの差がなくなり、残り3周でレースが再開される。
その直後の1コーナーでは2番手を走っていた中須賀選手が転倒。
高橋は4番手に上がり、必死にトップグループについていく。
前を走るライダーたちのバトルが白熱。
高橋はチャンスを伺うが、仕掛けられる余力はなく、そのままトップから僅差の4位でチェッカーフラッグを受けた。
日本郵便HondaDream
日本郵便HondaDream
JSB1000クラス #33 高橋巧コメント
最終戦も納得できる走りとはなりませんでしたが、全力で走りました。
チームも努力してくれていましたし、自分もやることはしたと思っているので、これが結果だと受け入れるしかないです。
日本郵便の赤い色は目立つのですごくわかりやすく毎戦たくさんの方に応援に来ていただきました。
その応援を自分自身が力に変えることができず申し訳ない気持ちです。
自分自身も納得いくシーズンではなかったですし、結果で恩返しをしたかったですね。
全日本に関してはまた来年に向けて、しっかり準備をしていきたいと思っています。
鈴鹿8耐では去年と今年で日本郵便様の名前と共に戦い優勝できたのは、自分にとってすごくうれしかったですし誇りです。
また喜びを共有できるように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いいたします!
ST600クラス #5 小山知良コメント
予選のセカンドアタックに入った周の逆バンクでハイサイドで転倒してしまいました。
その際にだいぶ高く飛び上がったみたいで、左手の薬指を粉砕骨折、小指と薬指の骨折で3箇所折れてしまいました。
膝のケガが悪化することはなかったのは不幸中の幸いでした。
長いレース人生の中ではこういうシーズンもあると思います。
望んではいませんが、自分が一番強くなるためのステップとしてはよい年だったのではないかと思います。
技術面でも精神面でも色々と強くなるための試練を与えていただいたので、一段と自分のモチベーションは上がっています。
なかなか思ったようなレースを見せられませんでしたが、アドバイザーとして岡崎や若松に帯同し、彼らが期待以上の成績を残してくれました。
特に最終戦では岡崎の初表彰台もありましたし、そう言った面では自分の成績は残りませんでしたが、違う役割でチームに関われたことを大変うれしく思っています。
ケガに泣かされたシーズンでしたが、笑顔で進み続けていれば絶対にいつか笑える日が来ると思います。
生きているだけで丸儲け。
来年は、恐らくリハビリのシーズンになってしまうと思います。
その先の2026年シーズンがあればタイトル争いを引っ張っていけるような強いライダーとして戻れるように頑張ります。
とりあえず手術をして治します! ありがとうございました!
J-GP3クラス #12 岡崎静夏コメント
結果的には初表彰台となりましたが、レースウイークを思い返せば失敗したことも多く、間違えてしまった部分も多くありました。
それがなければ自力で表彰台に乗れたと思いますし、トップグループの中で戦うことができたと思うため、満足してはいません。
それでも今までで一番よいレースをすることができ、ファステストラップも獲ることができました。
たくさんの皆様に応援いただけたことで私のこの表彰台の価値を上げていただけたと思います。
やっと少しだけよい報告ができました。
“おめでとう”と赤いTシャツを着て言ってくださり、本当にうれしかったです。
チームをはじめ、応援してくれた皆様、アドバイスを数多くくださった小山選手には感謝しかないです。
開幕した頃はまだまだ小山選手のアドバイスもちゃんと実行できない状態でしたが、大きく変わったのは筑波ラウンドでした。
そこから小山選手がアドバイスをどうすれば実行できるかを考え、フィジカルや足りない部分が明確にわかったので、このシーズンオフでもしっかり身体を作り、技術もアドバイスも全部実行できるよう準備していきたいです。
来シーズンはもっと進化した姿をお見せできるように頑張りたいと思います。
たくさんの応援とサポートを本当にありがとうございました!
日本郵便docomo business
日本郵便docomo business
ST600クラス #27 大和颯コメント
最後に根性を見せられたかなと思います。
ラストラップに前車を追っていたのですが、抜けるかなと思っていて、歯を食いしばって追いかけました。
皆様の応援が本当に力になり、追いついて抜くことができました。
ありがとうございました。
今回の最終戦は、今シーズンの中では一番、自分自身でレースウイークの組み立てができたレースになりました。
2日目に少し迷ってしまった部分があったのですが、予選では小山選手の後ろにつかせてもらい学ぶことができましたし、決勝では、レベルの高い状態で集中して走ることができました。
前戦の岡山ラウンドまで、本当に苦しいレースが続いたのですが、手島監督や小山選手を始め、チームの皆様のおかげでレースウイークの組み立て方が改善できたのがよかったと思います。
来シーズンも一歩一歩、大きなステップを踏めるように準備して行きたいと思います。
本当に一年間応援ありがとうございました!
J-GP3クラス #3 若松怜コメント
レースはそう甘くない世界だと今シーズン改めて思いました。
初戦で勝った後は2位や3位と優勝できないことが続き前戦の岡山でようやく勝つことができました。
今回の最終戦は調子がよかったのですが、レースでは残念な終わり方になってしまいました。
決勝では自分の方が余力があり勝負を仕掛けやすかったのですが、マシン差が出てしまいました。
その中でも必死にトライしていたのですが、3年連続チャンピオンを獲っている選手だけにうまさもありました。
今シーズンは小山選手が付きっきりでお世話になったおかげで得られるものがたくさんあり成長できました。
また多くの日本郵便の社員やスポンサーの皆様に応援に来ていただいたことに感謝いたします。
チャンピオンになった姿を見て頂きたかったのですが・・・今シーズンも応援ありがとうございました。
チャンピオンを獲れなかったことは悔しいですが、さらに成長して強くなって、目標である世界に絶対行きたいと思っています。
今後も応援のほどよろしくお願いします。ありがとうございました!
手島雄介監督コメント
手島雄介監督コメント
日頃よりご支援いただいております日本郵便株式会社様、HondaDream様、NTTコミュニケーションズ様の皆さまをはじめ、多くのスポンサー様に御礼申し上げます。
また、鈴鹿大会もサーキットまで足を運び応援くださった多くの日本郵便の社員の皆様をはじめとするスポンサーの皆様、ファンの皆様、本当にありがとうございました。
無事に2024年シーズンを終えることができました。
日本郵便株式会社様をはじめ、各スポンサーの皆様、サポーターの皆様、本当にありがとうございました。
今シーズンはチームスローガンを"集(つどう)"とし参戦させていただきました。
今年の元旦には家族や誰かと集まっている中、大きな地震が能登半島で発生しました。
たくさんの方々が被災する中で、パートナーである日本郵便の方も多く被災されたと聞いております。
そのニュースを見ながら我々の役割を考えた時に、レースができることは当たり前ではないと思いました。
また人が集まることも当たり前のようで当たり前ではないこと、そしてそのような世界がもしかしたら当たり前なのかもしれないという世界観を学びました。
一人よりも二人、二人よりも三人で支え合い、助け合い、更には大きな夢を見合うことをするためには、人が集うことが大切です。
そして集っている意味は何だということを皆様と共有するために今シーズンのスローガンを決めさせていただきました。
小山知良はケガをしてしまいましたが命はあります。
そのような点では、私たちはモータースポーツを通して不可抗力という世界観も学んでいます。
自分たちの苦難、困難にどのように向き合って行くのかがレースの一部であり、また人生の縮図です。
高橋巧ですら、モノを使う競技でバイクだけがよくてもうまくいかないですし、ライダーだけがよくてもうまくいかないです。
そういった苦労をしていく中で人間は自分と向き合っていく生き物だと感じています。
我々、日本郵便HondaDream、日本郵便docomo businessは、全日本ロードレース選手権でチームとして最大の台数を走らせていただいています。
それに合わせ今回の鈴鹿ラウンドでは、今シーズン冒頭に立てた”集”というスローガンの下、過去最多の日本郵便の社員の皆様をはじめ、多くのスポンサー様、サポーターの皆様に集まっていただきました。
この力を更に一人ひとりの感情や情熱へと紡いでいくことによって、モータースポーツの力で社会をよくしていくことができると私は信じています。
我々はこれからもそのような夢をしっかりと追いかけていきたいと思いますので、皆様も是非その夢に乗っていただけたらうれしいです。
来季のことはこれからになりますが、まずは2024年シーズンを無事に終えられたことに感謝申し上げると共に、またお会いできることを楽しみにしています。
本当にありがとうございました。